最近、電気料金が高いのはどうして?

エコポリ女子
エコポリ女子とは??

「エコポリ女子(エポ女)」とは、経済(エコノミクス)や政治(ポリティクス)について知識がある女性のことを指す、当サイトが作った造語です。「経済・政治のお話を簡単に分かり易く」をコンセプトに解説していきます!

数年前より電気料金が高くなった…そんな風に感じることがありませんか?

実際、電気料金は高くなっています。 今回は、最近、電気料金が高くなったのはどうしてなのか?というテーマに迫ります。

実際、電気料金は高くなっている!

冒頭でも書いたように、電気料金は高くなっています。
その理由の一つに、原油価格の高騰が挙げられますが、他にも理由があります。

それは、

電気代が上がった理由

2021年5月に「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が値上がりしたこと

再生可能エネルギー発電促進賦課金、略して「再エネ賦課金」ですが、名前を聞いてもピンとこない人もいるかもしれません。

再エネ賦課金とは、簡単にいうと、

再エネ賦課金とは?

「太陽光発電とかの再生エネルギーは、発電にコストがすごくかかるんだけど、日本に普及させる必要があるので、国民みんなで負担しましょうね」という料金

再エネ賦課金の値上げは、実は2021年5月が初めてではなく、毎年行われています。電気料金の明細を毎月チェックしている人はお気づきかもしれません。

たまにしか明細のチェックをしなければ、気付かないまま「なんだか高くなったなぁ…」と感じてしまうでしょう。

再エネ賦課金が出来た経緯とは?

先ほど書いたように、再エネ賦課金は、太陽光や風力といった再生可能エネルギーを普及させるために設定された料金です。

この再エネ賦課金がどうして生まれたのかというと、国が再生可能エネルギーを普及させるために、2012年に再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を導入したからです。普及がスムーズに進むよう、当初は固定買取価格を40円/kWhに設定したのが始まりです。

固定価格買取制度

国が決めた固定の買取価格で、10年間電力会社に売電できる制度

固定買取が終了した後は買取価格が7円/kWh前後であるのと比較すると、相当な高値で買い取っていたことが分かりますね!

そんなわけで、一般家庭はもちろん、企業も積極的に太陽光発電を行うようになりました。

なんせ、太陽光発電をすれば高く買い取ってくれるのですから、「儲かる!」ということで太陽光発電を行う家庭や企業が急増したのです。

しかし、40円/kWhや48円/kWhといった買取金額が電力会社にとっては負担になります。

その結果、

電力会社の負担を減らすため

「発電コストの高い再生エネルギーを普及させるために、国民みんなで負担しましょう!」という大義名分のもと、国民にしわ寄せが来た

という流れなのです。

その結果、再エネ賦課金は、
・2012年⇒年間660円程度
・2021年5月⇒年間約10,080円

再エネ賦課金の負担

なんと、10年で年間の負担額が約15倍も膨れ上がった

*参考:https://www.renewable-ei.org/activities/column/REupdate/20210416.php

これが、いつの間にか電気代が上昇した大きな原因です。

知って欲しいこと

再エネ賦課金は、太陽光を設置していない家庭も負担することになっている不平等なもの


なのです。この事実を知っても、全面的に再エネ・SDGsを推進しようと思いますか??

再生可能エネルギーが広がって良くなった?

そんなわけで、日本では再生可能エネルギーが広がりました。国内の原発の多くが廃炉となり、現在稼働しているのは一部となっています。

停止した原発に替わり、太陽光発電などの再生可能エネルギーが増えているのですが、問題はこれらのコストが高く、発電量が小さいということです。

再エネが高コストである理由

・太陽光パネルや風力発電機が高い
・発電に適した場所が少ない
・日本は災害が多いので対策費がかかる
…etc

再生可能エネルギーは、停止した原発の発電量より小さいので、それを補うべく火力発電所を稼働させています。ただ、下記のような問題があります。

火力発電の問題点

・火力発電に必要な原油や天然ガスなどの資源は、米国や中東、ロシアなどの産油国から輸入しなければならない
・輸入に頼ると、輸入先の国に何かあった場合は(戦争など)、それまで安定して入ってきたものが突然断たれてしまう
・資源価格は毎日変動するので、値上がりすれば火力発電にかかるコストも高くなる

そのため、火力発電であっても、果たして安定して発電し続けることができるのか、微妙なのです。今のところ再生可能エネルギーでは日本全体で必要とする電力を賄えません。

「再生可能エネルギーによる発電がまだ十分に普及していないからじゃない?」と思うかもしれませんが、これらの自然エネルギーの場合、最大のデメリットがあります。それは、

自然エネルギーのデメリット

安定供給がしづらいこと

発電の割合を自然エネルギーにどんどん置き換えても、天気の良い日や強風の日は過剰なくらいたくさん発電し、雨の日や無風の日、雪の日は発電量が極端に下がる、という不安定な状態に陥ってしまいます。

発電量が多い時に余った電力を無駄なく蓄電ができればこのような問題をクリアできるかもしれないのですが、今のところ採算の合う蓄電技術がないため、難しいでしょう。

そんなわけで、再生可能エネルギーが広がって良くなるのかというと、

再生可能エネルギーは…

電気代・安定性のことを考えると、かなり微妙制度自体も不平等なもの。

まとめ

太陽光や風力といった再生エネルギーの発電が広がりましたが、その結果、電気料金が高くなってしまいました。次回も、どうして電気料金が高くなってしまったのか、というテーマを取り上げます。

それに加え、猛暑や厳冬の時に節電のお願いが増えたのはなぜなのか、ということにも迫ります!


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