実は知らない…?!お金の正体って何?①【エポ女:経済編】

エコポリ女子

記事の前に。。

エコポリ女子とは??

「エコポリ女子(エポ女)」とは、経済(エコノミクス)や政治(ポリティクス)について知識がある女性のことを指す、当サイトが作った造語です。「経済・政治のお話を簡単に分かり易く」をコンセプトに解説していきます!

「今月は出費が多くて、もうお金がこれだけしかない」
「貯金をしているけれど、思ったよりもお金が貯まらない」

このように、お金の悩みは尽きないもの。
私たちの暮らしに欠かせないお金ですが、今回はお金とはそもそも何なのか?ということに迫ります!

お金はお札や硬貨のこと?

「お金」という言葉を聞いて、あなたは何をイメージしますか?
おとぎ話で見るような金貨や銀貨、見たことのないような大量の札束等々、人によってイメージは様々だと思います。
でもお金で身近なものといえば、やはり千円札や一万円札といった「紙幣」と、10円玉や100円玉といった「硬貨」など現金のことだと考える人は多いでしょう。

もちろん、紙幣や硬貨はお金です。しかし例えば、預金口座はどうでしょうか?
給料を現金で手渡しでもらうという人は現在では恐らくごく少数です。大抵の場合は、預金口座に月々の給料が振り込まれます。
そして、ここから家賃や水道光熱費などの支払いを振込や引き落としで行う人も多いでしょう。
そうです、預金口座も立派な「お金」なのです。

貯金の大部分は単なる数字

さて、ここで貯金について少し考えてみましょう。
仮に今、自分の預金口座に5万円があるとします。この場合、自分の口座には5万円の貯金がある、ということになります。
また、自分の預金口座が0円のところに誰かから10万円の振込があれば、10万円の貯金ができたことになります。
この時に通帳に記帳すると、残高には「100,000」という数字が記されますが、この10万円という金額は紙幣や硬貨のことではありません。
そう言うと、「ええ!?でも、ATMから10万円を引き出すことはできるよね?」と思うかもしれません。もちろん、10万円という金額であれば、ATMから引き出すことは問題なくできます。
しかし、これが5000億円だったらどうでしょう? 金額が大きすぎて、ATMからは当然引き出せません。銀行の窓口に行って引き出そうとしても、すぐにはできないでしょう。なぜなら、銀行もそんな大金を日頃から用意してはいないからです。

映画などの影響で、銀行には地下などに厳重に管理された大きな金庫があって、そこに大量の紙幣が用意されている…イメージがあるかもしれませんが、実はそんなことはありません。

日本銀行が2022年3月に発表した資金循環統計(速報)によれば、私たちの貯金は2021年12月末現在で1,092兆円あります。*¹
*参考1:
https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjexp.pdf
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=70549?site=nli

しかし、1,092兆円の大部分が紙幣や硬貨ではなく、単なる数字として記録されているだけなのです。

お金には種類がある

さて、預金口座も立派なお金の一種であるということを書きました。銀行振り込みで支払いを行うケースは一般的です。

A銀行の自分の口座から、B銀行の相手の口座に1万円の振込をする、という場合、1万円札を一度も目にすることなく決済されます。
この時、A銀行の自分名義の預金通帳に、相手に1万円の振込をした、という取引内容が記録されるだけです。
また最近は決済手段も増え、電子マネーを使って買い物をするので、スーパーやコンビニでは紙幣や硬貨などの現金を使わない、という人もいます。レストランなどで外食した時には、クレジットカードを使うので現金払いはしない、という人もいるでしょう。

電子マネーは、Suicaなどのように駅やコンビニで現金を使ってチャージできるものもありますが、楽天Edyなどのように、自分の預金口座から支払うものもありますし、クレジットカード決済を行った場合も、預金口座から利用金額が引き落としされ支払いが行われる…つまり、電子決済されます。

このように、現金以外にも預金というお金があり、現金のことを「現金通貨」、預金のことを「預金通貨」呼ぶのです。

お金はどうやって生まれるの?

お金には現金通貨と預金通貨がある、ということを書きましたが、そもそもお金はどうやってこの世に生まれるのでしょうか?

「働いたら、その対価として支払ってもらえるのでは?」「モノを売ったら、その対価として支払ってもらえるのでは?」などと考える人もいるかもしれません。

もちろんそうなのですが、その場合、その対価として支払われるお金は、どこから生まれて私たちの手元にやってくるのでしょうか?

「日本銀行がお金を刷ったら、お金が生まれるのかな?」と考える人もいるでしょう。
確かに日本銀行がお金を刷ったら、1万円札などの紙幣が物理的に発生します。
でもそれだけでは何の価値もなく、「1万円」と書かれたただの紙切れでしかないのです。

日本銀行が刷った紙幣がお金になるには、私たちが預金口座から現金を引き出さなければなりません。

例えば、ある人が自分の預金口座のある銀行に行き、1,000万円のお金を借ります。
その人の通帳に銀行員が1,000万円と書き込むだけで銀行は貸出を行い、預金通貨ができてしまうのです。
仮に銀行に1,000万円の現金のストックがなくても構いません。
そんなウソみたいな話があるの?と思うかもしれませんが、実はそうなのです。
これを「信用創造」と言います。

この時、銀行は1,000万円を現金で貸したわけではありません。単に通帳に1,000万円と書き込んだだけで、1,000万円の預金通貨が生まれることになります。
この1,000万円の預金通貨で支払いをしたり、一部を現金で引き出して生活必需品を購入したりできます。このように、お金は銀行が預金口座に数字を書くだけで生まれます。

お金といえば、何となく現金を想像しがちですが、先ほども書いたように現金は預金口座から引き出されたものです。

そのため、自分の手元にある1万円札などの現金は、過去に誰かが銀行から借り入れをして創り出された銀行預金が紙幣の形になったものか、あるいは、過去に政府が国債を発行して創り出された銀行預金が紙幣の形になったものなのです。(※国債に関しては、どこかのタイミングで詳細に解説しますね!)

まとめ

今回はお金がいったい何なのか、ということを解説しました。預金通帳に金額が書かれるだけで、銀行預金…つまり「預金通貨」ができてしまった、なんてにわかには信じがたい話でしょう。

次回の経済編では、この話をもう少し掘り下げて説明します。


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