「後から考えるとそんなに怒ることではなかったのに」「怒りにかられて我を失ってしまった」という方が増えています。
人はなぜ「怒り」という感情が出てくるのか、まずはその原理から知っていきましょう。
人はなぜ「怒る」のか

怒りに対する通説は「怒り」とは二次感情であり、きっかけとなる感情があるという説。
二次感情というのは、何か別の感情がもとになって引き起こされる感情のことです。
つまり、人はいきなり怒るのではなく、悲しい気持ちからの怒り、不安な気持ちからくる怒りなど、負の感情が原因になっていると考えられています。
ではなぜ、悲しい(一次感情)のままではいられずに怒ってしまうのか。それは怒りのエネルギーがとても強いからなのです。怒った後に疲れを感じるという経験はありませんか?怒りはエネルギー消費がとても激しく、疲労感で無気力になってしまうことも。
負の感情が大きくなり、それを上回る大きさの怒りがこみあげてくると、人は怒りにとらわれてしまいます。
特に心のどこかで期待をして、裏切られたと感じるときに怒りが発生しやすくなります。
期待をするというのは人とかかわる限り、無意識に行っていることがほとんどなので、コントロールは難しいですよね。
しかし、自覚したり、怒りに対する意識を変えることによってコントロールはできるようになるでしょう。
「怒り」をコントロールする方法は?

ついカッとなるということがあるかと思います。しかしこれは、人生を大きく変えてしまう原因になることも…。
怒りがコントロールができないことに不安がある人は、まずは次の6つのことを試してみてください。
怒りに身を任せない
怒りがこみあげてきたらまず深呼吸。完全に怒りで何も考えられなくなる前に、深呼吸をすることでセーブしましょう。怒りをなくすことはできなくとも、いきなり怒鳴り声を上げたり、人や物に当たるということを抑えられます。
深呼吸をしたら、他の人から今の自分はどう見えているのか、今の自分の姿を想像してみましょう。初めは難しいですが、客観的に自分の姿を見られるようになれば、おのずと平静を取り戻せるでしょう。
頭の中を整理する
怒っているときは、頭の中で考えがぐちゃぐちゃになってしまいがち。なるべく記憶が新しいうちに、整理をしていき、自分が本当は何を言いたかったのか見つけることが大切です。
なにがあってどうしてこうなったのか、原因はなんだったのか、何か誤解はなかったのか…など紐解いていくと、自分にも非があったり、逆にただ理不尽な目にあっただけだったり。
色々な原因の中で怒りのポイントを見つけてみると、改めて自分の心と向き合うことができます。
もし自分に非があれば謝り、理不尽なことを言われたとしても、自分が正しいと思っていることを心においておけば、周りに何と言われようと気にならず、堂々としていられるでしょう。
周りの様子をうかがう
複数人で話し合っていた時に、自分の意見をはっきり伝えるというのは難しいと感じてしまうもの。もし会話の流れが自分の意思とは違っていても同調してしまう…なんてことはありませんか?
同調することは悪いことではありません。しかし、自分の意見を押し殺すのは疲れてしまいます。
例えば、仲がいい人の悪口に発展したりするとなんだか気分が悪いですよね。
そういう時は一度、同調も否定もせず、周りの状況をうかがってみてください。
客観的に物事を見られるようになれば、自分の意見を言って言いがかりをつけられたりしても、冷静に話し合うことができるでしょう。
誤解があれば誤解を解き、相手を尊重していれば、相手の怒りも収まってくるはずです。
癒しの時間を作る
ここまでは怒りについての理解やコントロールでしたが、ずっと感情を抑えているとストレスもたまって疲れてしまいますよね?
人はストレスが溜まっていると怒りやすくなってしまう傾向にあります。
なんか疲れた…と思ったらストレス発散!他の人に迷惑をかけなければなんでもOK。友達とカラオケに行ったり、温泉に行ったり、家でアロマを焚いたり、エステに行ったり。自分に合った発散方法を見つけて、自分のご機嫌をとってあげましょう。
自分に自信を持つ

自信がなく自己肯定感が低い状態でいると、人に対して攻撃的になる場合があります。つまり、心に余裕がなくなってしまうのです。
承認欲求(他人からの肯定を求める欲)もあるかと思いますが、まずは自分で自分のことを認めてあげることで余裕が生まれてきます。
そうすると、怒っている人に対しても、理不尽に当たってくる人も、「心に余裕がない人なんだな」と落ち着いた気持ちでその人の姿が見えてきます。
余裕がないくいつもイライラしている人より、余裕があって穏やかに生きている人のほうがいいですよね?
余裕ができると自然に、人との接し方も周りからの反応も変わってくるでしょう。
問題と向き合う
ある程度、気持ちをコントロールできるようになったら、人にやさしくなれる自分を手に入れているはずです。
怒りを抑えて冷静に物事と向き合い、芯を強くする。自分を癒し、認めることで余裕が生まれてくる。この中でできないことがあれば、ゆっくりゆっくり慣らしていけばいいのです。
今まで開放していた怒りをコントロールしようとしているのですから、すぐにはできるものではないでしょう。焦らずに問題と向き合っていくことが大切です。
まとめ

いかがでしたか?
感情的になると、会話も進んでいかず、お互いを傷つけあってしまいますよね。どんな会話も怒っていてはいい結果を得られず、自分の品位を落としかねません。
コントロールというと難しいことのように思えますが、少しずつでも実践することが大切です。
実践してみても、どうしても怒ってしまう、イライラしてしまうという方は、睡眠の質やホルモンバランスが関係している可能性も…。心当たりがある方はこちらの記事をお読みください。