意外と知らない!お金の正体って何?②【エポ女:経済編】

エコポリ女子
エコポリ女子とは??

「エコポリ女子(エポ女)」とは、経済(エコノミクス)や政治(ポリティクス)について知識がある女性のことを指す、当サイトが作った造語です。「経済・政治のお話を簡単に分かり易く」をコンセプトに解説していきます!

前回、お金とはいったい何か?ということについて解説し、私たちが通常目にする現金だけでなく、預金もお金の一種ということを書きました。また、お金がどのように生まれるのか、ということについても解説しました。

今回は、お金がどのような性質を持っているのかということについて迫ります!

前回のおさらい

・お金には種類があって、現金紙幣だけじゃなく銀行預金もお金の一種
・お金は、誰かが借りて初めて生まれる

お金は創造され、移動し消える

前回書いたように、銀行が誰かにお金を貸し、その人の通帳に貸し出した金額を書き込むだけで、預金通貨ができてしまいます。このことを創造と言います。

「創造」もっと詳しく

銀行がお金を貸した証拠として通帳に金額を記載すること。
そして、このお金を銀行預金(預金通貨)と言います。

お金を貸した証拠と聞いて、なにかピンときませんか?世の中にも、誰でも知っているこれと同じものが存在します。それが、「借用書」です。借用書は、お金の貸し借りを証明する書類です。
つまり、お金は借用書と一緒なのです。ココをインプットして下さいね!

ココが大事!

お金=借用書

「金は天下の回りもの」ということわざの通り、お金は様々な人や会社など、持ち主を変えながら回り続けます。そしてこのお金でモノやサービスを購入します。
このことを移動と言います。ここまではイメージしやすいのではないでしょうか?

そして、お金はなんと消滅するという性質があります。
しかし、「消滅」と言われると、まったくピンとこないでしょう。

「お金が消滅するって、お札を燃やすとかそういうこと?」と思うかもしれません。確かにお札を燃やしてしまったら物理的に消滅しますが、ここで言っているのはそういうことではありません。

「お金が消滅する」とはいったいどういうことなのでしょうか?

お金が消滅するってどういうこと?

お金が消滅するとは、実は銀行に借金を返済することを言います。「え?そんなことでお金って消えるの?」と思うかもしれません。では、ちょっと考えてみましょう。

例えば、あなたが銀行から10万円を借りたとします。そして、話を分かりやすくするために、世の中にはあなたが借りた10万円しかお金がない、とします。

この10万円をモノやサービスを購入して使用します。しかし、いずれ銀行に返済しなければならないので、返済期日までにとにかくこの10万円を回収するしかありません。

例えば、あなたがモノやサービスを購入した店でバイトをするなどして、使った10万円を回収したとします。そして、これを銀行に返済すれば、10万円は消滅します。

10万円が無くなることで、世の中からは一切のお金が消えてしまいます。

つまり、お金の性質とは・・・

お金を返済すること

もちろん、現実には世の中にはお金が10万円しかない、ということはなく、銀行からお金を借りている人や会社などは数えきれないほど存在するでしょう。

多くの人や会社などが銀行からお金を借りることでお金が生まれ、それを決済することでお金は移動し、そして、誰かがお金を銀行に返済すれば、お金は消滅します。

つまり、お金の性質は・・・

創造・移動・消滅を繰り返す

そして、誰かが借りたお金の方が、誰かが返したお金よりも多ければ、世の中には常にお金がある、ということになります。

もしも、銀行が政府にお金を貸し出したら…?

何度も書いているように、銀行は誰かにお金を貸し、その人の通帳に貸し出した金額を書き込むだけで預金通貨を生むことができます。

「そういう仕組みだったら、無限に貸し出せることになるよね?」と疑問に思う人もいるでしょう。
当然、金額を記帳しただけで預金通貨が生まれるわけですから、例えば通帳に「1兆円」などと書き込んだら、あっという間に世界でも有数の億万長者になれます。

しかし、銀行はそんなことはしません。当然ですが、貸したお金はいずれ返してもらわなければいけないのです。そのため、貸し出す時に与信審査を行い、「500万円」「1,000万円」など現実的な金額を貸し出し、借り手の返済能力を考慮したうえで金額を決めます。

これを信用創造と言います。

「信用創造」もっとを詳しく

借り手の返済能力を考慮したうえで、お金を貸し出すこと。
全ての銀行はこのシステム
金額の上限は、借り手の信用度によって変わります。

では、もしも銀行が政府にお金を貸すとしたら、その場合の貸出金額はどうなるのでしょうか?銀行は政府の返済能力についてどう判断し、それに見合った金額を貸し出すのでしょうか

実は、貸し出す相手が政府なら、個人とは違い返済能力を考慮する必要はなく、返済の上限額もありません。なぜなら、政府は自国通貨を発行できるからです。これを通貨発行権と言います。

「通貨発行権」もっとを詳しく

政府がお金を創ることができること。
政府が銀行から借りたお金は、お金を創って返済できる。
ニュースやでよく聞く「政府がお金を刷ればいい」というフレーズがこれに該当します。

これが、個人や企業とは大きく違う点です。個人や企業は自分でお金を創ることはできません。
でも、政府はお金を発行できる以上、「日本が破綻する」ことはあり得ないのです。

まとめ

今回は、お金の創造、移動、消滅について説明しました。前回と今回は、主に預金通貨に重点を置いて説明し、現金については少しだけしか触れていません。

現金紙幣は日本銀行の借用証書である、ということを書きましたが、これがどういうことなのか、次回に掘り下げて説明したいと思います。

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